今回は、ChatGPT 周辺の動きと、検索領域への衝撃についてまとめました。
今現在の ChatGPT の動きをタイムリーにまとめておくと、後から見直したときに、とてもおもしろそうなので、面白かった記事をまとめてみました。
それぐらい激動の時代だと思います。
ChatGPT の検索エンジンへの影響
Google Japan Blog: AI の次の重要な一歩
Google でも検索エンジンに LaMDA ( Language Model for Dialogue Applications)を提供することを決定。サービス名は Bard。
NOTE: Google 内部でも緊急自体(code red)になったのは、DeepL の台頭、PyTorch の台頭、そして今回の ChatGPT の Bing 搭載でしょうか? ここから Web 検索は完全にチャット形式の検索が主流になるのかが見どころですね。Microsoft に ChatGPT と GPT3.5 を Bing に搭載する動きが想像以上に早く驚きました。 個人的には Bing に GPT が搭載されなかったら Google はこの対応をしていなかったと考えているので、それだけ検索業界として ChatGPT の出現は一つのブレークスルーですね。 もしかしたら、キーワード検索していたら、過去の人認定を受ける未来が予想外に早く来ることにワクワクを隠せません。
Microfost が Bing に GPT を搭載したチャット機能を提供。現在ウェイトリストに申し込みさえすれば機能開放が逐次されています。
NOTE: 自分も申し込んで 2023/02/13 に招待メールが来たので早速試しましたが、これはめちゃくちゃおもしろいですね。一つのボトルネックは GPT と連動して裏で検索エンジンが動くので、Bing の検索品質が検索体験の最終的な足かせになるわけですね。なので、LLM だけではなく、基盤の検索エンジンも両輪で改善が必要というアツい展開です!
マイクロソフト新 Bing が示す「検索」新時代 チャット UI と Google の憂鬱【西田宗千佳のイマトミライ】-Impress Watch
検索へのリスティング広告視点からの Microsoft と Google の影響に関する洞察。
マイクロソフトが Bing で仕掛けた戦いは、大きな変化が起きる可能性を秘めた、インパクトのある先制パンチだったのだ。
NOTE:ChatGPT が出た際に、情報の出典さえでれば一般化するのではと思っていましたが、まさかここまで早く世界規模の検索エンジンと統合した形で提供されるとは思いませんでした。動きが速すぎる... 記事の洞察でもありますが、Microsoft 側は極論検索広告の流入が減ったとしてもキャッシュフローして広告に依存していないので、この仕掛けは自社にとってやり得しかないわけで戦略は非常に上手ですね...
ChatGPT の生みの親、サム・アルトマンが語る「AI と検索と資本主義の未来」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
このインタビューはめちゃくちゃおもしろかったです!
私たちが今、非常に重要なものを生み出したことは確かで、このパラダイムは、我々をはるか彼方へ連れて行くことになります。 2022 年秋の ChatGPT のローンチにあたって、社内では「立ち上げる価値があるかどうかさえわからない状態だった」という話を、御社のプレジデントのグレッグ・ブロックマンから聞きました。つまり、誰もがこのプロダクトの凄さを理解している訳ではなかったということですか?
チーム内で意見が分かれることは珍しくはありません。「とりあえずやってみよう。やってみてどうなるか見てみよう」という感じでした。私自身はうまくいくと思っていました。 ChatGPT のようなオープンなツールを提供することだと思います。グーグルは、こういったものを一般向けには公開しません。他のラボも、安全性を懸念する人たちがいるため公開しないのです。しかし、私は、社会がこれを感じ取り、格闘し、プラスやマイナス面を理解することが必要だと考えています。ですから、私たちが行う最も重要なことは、これらのツールを公開し、世界がこれから起こることを理解できるようにすることだと思います。 マイクロソフトとの提携にあたっては、リターンに上限を設けたり、セーフティ・オーバーライド条項を設けるなど、通常の会社なら嫌がるような取り決めを行ったのですが、彼らは「それはすばらしい」と言ってくれています。
NOTE: 個人的に、OpenAI has published the text-generating AI it said was too dangerous to share - The Vergeの記事で、GPT-2 は現時点では危険すぎるので公開しないと OpenAI が声明を出しており、GPT-3 はその危険性はなくなったから公開したのか、それとも別の理由で公開したのか非常に気になります。今のところは Chat GPT はパンドラの箱に感じます。
ChatGPT 関連
Microsoft Teams Premium: Cut costs and add AI-powered productivity | Microsoft 365 Blog
OpenAI と連携して、GPT を Microsoft Teams に連携して数々の新機能を提供。会議の動画に対して自動的にチャプターを生成したり、リアルタイム翻訳などなど。MicroSoft のすべてのサービスに GPT による AI の恩恵が...!!!
NOTE: 提供速度が速すぎるのと、機能がてんこ盛りすぎて Microsoft の底力が怖い。一人あたり毎月 7$でこの機能が使えるらしいが、正直採算あうのだろうか?
ChatGPT を支えるアノテーション状況の課題
高性能チャットボット「ChatGPT」を支える“劣悪な労働搾取”を米誌がスクープ | 時給は最高 2 ドル。残虐な動画を検閲し続ける… | クーリエ・ジャポン
ChatGPT 成功の裏に劣悪な労働搾取。ケニアで時給 2 ドル | ギズモード・ジャパン
これから益々、アノテーションによる高品質なデータ作成が重要になっていきますが、この課題は根深いですね。
「CustomGPT.ai」で Publickey のコンテンツを学習させたチャット Bot を作ってみた。サイト検索の代わりになるか? 回答の精度と 3 つの大きな課題 - Publickey
マネージドで ChatGPT のようなことができるサービス。
NOTE: 使用体験を見ても、自社サイトのヘルプページを例えば読み込ませて対話可能になったとしても元ページの参照が無いと実適用は難しそうだなと思いました。
知らないと出遅れる「ChatGPT」台頭のインパクト | 特集 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
松尾先生による ChatGPT の影響に関する記事。
今人間が行っている業務の大部分が、ほかの人とのコミュニケーションや調整だといえます。その相当部分を ChatGPT などの技術でできるようになるということは、とてつもなく巨大なマーケットです。
Stable Diffusion のように OpenSouce で ChatGPT のような対話 AI を作るプロジェクト
NOTE:もし完全に OSS で誰もが使える高品質なモデルが公開されたら、更に革命が起こりますね!! Whisper の公開で文字起こしが誰もが使えるようになったように、ChatAI を誰もが API の使用代金などを考えずに作成できる未来ってすごくないですか?
OpenAI 日本担当の Shane Gu さんが GhatGPT に関してのインタビュー動画。かなり面白いので時間のある人は見てみましょう! YouTube で公開してくれてありがとうございます!
ChatGPT is 'not particularly innovative,' and 'nothing revolutionary', says Meta's chief AI scientist | ZDNET - Yann LeCun が ChatGPT は特に革新的じゃないよとぶった切っている記事。
"And, the answer is, Google and Meta both have a lot to lose by putting out systems that make stuff up," said LeCun with a laugh.
NOTE: ここは真理ですよね。極論失うものが何もないから、MicrosoftはBingに搭載できたんじゃないのかなと。 また、革新的ではないという発言を一般人が言っていたら説得力はないが Yann LeCunが言っているから説得力がありますね。
Introducing ChatGPT Plus
ChatGPT の有料プラン
NOTE: 自分の ChatGPT アカウントにも ChatGPT Plus がつかえるようになったと連絡が来ていました。月間 20$で ChatGPTPlus が使えるのは凄いことですね
Chat GPT の API の申し込みリスト
trzy/ChatARKit: Using ChatGPT to create AR experiences with natural language.
Whisper と ChatGPT を組み合わせて、クライアント上で音声認識 → 言語理解 →AR 作成まですべて完結するデモアプリ。これは感動します! YouTube Demo
GPT Index : 手持ちのデータを LLM に連携して、QA やテキスト生成が可能になる。
GPT Index の主な利点は、
プロンプトのサイズ制約解消(従来は例えば、 Davinch だと 4096 tokens)
手持ちのデータを LLM に連携できる
手持ちのデータを LLM に連携できるところがもっとも面白いところではないでしょうか? 対象にできるデータソースが続々と追加されており、勢いが凄い
GPT Index のマーケティング活用:問い合わせ対応| Takuya Kodama | note
日本語での説明記事
LangChain : GPT Index と比較すると、特徴的な機能が単独の LLM へのプロンプトではなく、LL 同士を連携可能なインタフェースを提供し、
Chain
可能にする。 GPT Index よりも複雑なアプリが作れる。LangChain で GPT Index をツールとして利用する| npaka | note
この記事を見ていると、 GPT Index を LangChain で利用可能になったみたいです。
LangChain のアプリをホストできるマネージドサービス。
Llama Hub
GPT Index や LangChain のためのデータを簡単に連携可能にするためのサービス
番外編: Bing にチャットで GPT Index と LangChain の違いを聞いてみました。
こんにちは、これは Bing です。😊
LangChain と GPT Index の違いは、次のとおりです。
LangChain は、大規模言語モデル (LLM) と外部リソース (データソースや言語処理系など) を組み合わせたアプリケーションの開発支援を目的とした Python ライブラリです12。LangChain では、チェーンという概念で、LLM とプロンプトを紐づけて処理をする構造になっています34。LangChain は、エージェント、メモリ、ツールという 3 つのコンポーネントを提供しています5。
GPT Index は、専門知識を必要とする質問応答チャットボットを簡単に作成できるライブラリです67。GPT Index は、LLM に長期記憶を追加し、大規模な外部知識ベースを利用できるようにするためのデータ構造のセットです4891011。GPT Index は、コード数行でチャットボットを完成させることができます67。
LangChain と GPT Index は、どちらも LLM と外部リソースを融合させることができますが、LangChain はより柔軟で高度なアプリケーションの開発に適しており、GPT Index はより簡単で手軽なチャットボットの作成に適していると言えるでしょう1267。
すげええええ! (小並感
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